東郷神社と日露戦争
渋谷区神宮前一丁目、JR原宿駅付近
  • アミラーリ(Amiraali)ってビール飲んだ事ある?
  • なにそれ?ベルギーのビール?
  • フィンランドのビール。
  • アミラーリってどういう意味?
  • 提督。
  • ていとくってなにさ?
  • 艦隊の司令官のこと。
  • 世界の提督24人をラベルにしたんやって。
  • サッカー選手のシールみたいなもんか。
  • そのラベルの2つに日本人もあったらしいで?
  • 誰?
  • 山本五十六と、東郷平八郎やって。
  • 誰それ?
  • 誰それ?
  • じゃないでしょ。
  • 東郷神社に来てんだからさ。
  • 東郷神社って、その人と、なんか関係あんの?
  • その人って言うなよ。
  • 東郷平八郎が祀られてるんだよ。
  • ビールのラベルにするフィンランドに。
  • 神社にする日本だな。
  • 東郷平八郎って、なにした人?
  • 1904年の日露戦争で活躍した人だよ。
  • その辺って、まだ江戸時代終わったばっかりだよね?
  • 薩摩藩出身の海軍大将だよ。
  • 薩摩藩って事は、西郷隆盛と知り合い?
  • 西郷隆盛にイギリス留学させてもらったんだよ。
  • でも、東郷が留学してた時に、
  • 西郷隆盛が西南戦争起こして死んじゃった。
  • 帰ってきてビックリだったやろな。
  • 日露戦争ってなんだった?
  • 明治政府を作って海外デビューしちゃった日本は、
  • すごい武力で勢力拡大する西洋に、圧倒されてたんだ。
  • いきなり都会に放り出されたみたいやな。
  • 世界中で植民地の奪い合いだよ。
  • まさに弱肉強食。
  • そこで日本は味方を増やす事にした。
  • どこ?
  • まずは、お隣の朝鮮同盟組もうとしたよ。
  • 近いところからやな。
  • でも鎖国中の朝鮮には拒否された。
  • そらそうや。
  • 江戸幕府もペリーにはええ返事せえへんかったし。
  • その時、武装したアメリカやらフランスやらも、
  • 朝鮮半島にちょっかい出してたんだ。
  • 日本もちょっかい出してた?
  • たまに武力衝突があったりしたそうだよ。
  • そうしているうちに、朝鮮半島では不安が膨らんできて、
  • どこかと戦争になる前に、
  • 近い国と、条約を結ぶべきだって声もあがってきた。
  • それでアメリカと手組んだんや?
  • いや、この話の流れだったら日本とだろ?
  • でも、朝鮮を支配していた・・
  • という巨大な国を怒らせてしまった。
  • 清って中国だよね?
  • 朝鮮国内でも、清からの独立を支持する声があがって、
  • ついに、朝鮮半島をめぐって日本と清が武力衝突。
  • それが日清戦争ってやつか。
  • 朝鮮の開国派と手を組んで、清を撃退して。
  • 日本は、清の領土も手に入れたんだ。
  • 人のとこ襲って、ここはオレのもんやって言える時代やったん。
  • まさに弱肉強食。
  • 喜んだのも束の間・・
  • ヨーロッパの国に、勝手な事するなって怒られた。
  • そして、日本から、清を取り上げて、
  • ロシア、フランス、ドイツのものになったよ。
  • なんでやねん。
  • 清は、清って国のもんちゃうの?
  • そして、東アジアで粋がってる国が湧いてきたって、
  • ロシア帝国が本気だしてきた。
  • 帝国って名前が怖いな。
  • 日本だって、負けずに大日本帝国って名前つけてたさ。
  • の上は特盛かな?
  • ロシア帝国は、満州、朝鮮半島を攻めてくる。
  • 攻めてくるって、どうやって?
  • ロシアは皆殺しにしてるの?
  • 戦争ってのは、そんな単純じゃないよ。
  • 清や朝鮮で、ロシアに味方する人達がいたんだ。
  • なんで?
  • 日本との外交に不満だった人達もいたんだ。
  • 日本に味方するか?ロシアに味方するか?
  • 2つにはっきり割れて戦争になるんだよ。
  • 普通なら、強いほうに味方するやろ?
  • やっぱりロシアのほうが強いよ。
  • 日本が負けるのは時間の問題だった。
  • もう終わりや、ロシア語勉強せな。
  • でも、ロシアの勢力拡大が気に入らない国がいた。
  • どこ?
  • 世界最強の武力を持つイギリスだよ。
  • またイギリスから武器買うのかよ。
  • 長州藩もイギリスの武器で幕府を倒したよね。
  • おかげで日本はすごい借金だよ。
  • でも強い武器があったって・・
  • 使いこなせなきゃ意味がないからさ。
  • 日本は苦戦するよ。
  • イギリスも金さえ儲かればいいって事か。
  • イギリスとしては・・
  • ロシアの力が少しでも弱くなればいいと思ったのかも。
  • 日本もロシア相手に勝ち目はないと思ったから、
  • アメリカにまで仲介してもらって、
  • あの手この手で、交渉の糸口を探るんだけど。
  • ロシアは負けるわけがないから、耳を貸してくれない。
  • 勝てる気せーへん。
  • ロシアには無敵のバルチック艦隊がいたからね。
  • 無敵だってさ。
  • ロシアを敵視する国にとっては・・
  • このバルチック艦隊が厄介だったから、
  • 特にイギリスとかが嫌がらせしたんだ。
  • 嫌がらせってどういうの?
  • 条約とかを理由に海を通さなかったりだよ。
  • ロシアも凍った海を避けたりしなきゃいけないから困った。
  • 結局、すごい遠回りして7ヶ月もかかったんだって。
  • 海の上、7ヶ月は海賊でもツライで?
  • 日本海に着いた時はだいぶ疲れ果ててた。
  • その無敵艦隊を迎え撃ったのは、東郷平八郎の艦隊
  • そして、バルチック艦隊を殆ど全滅させたよ。
  • バルチック艦隊も弱ってたから、当たり前?
  • そうでもないよ。
  • 世界は、そこまで期待してなかったから驚いた。
  • それに、東郷平八郎のとった冷静な作戦は、
  • その後も語り継がれるくらいに歴史に名を残すものだったらしいよ。
  • 世界の提督24人ビールのラベルになっとるくらいやし。
  • 東郷平八郎が亡くなっただいぶ後・・
  • 1945年、太平洋戦争で日本が敗戦して、占領されてた時。
  • 記念に残されていた、東郷の軍艦三笠は・・
  • 米兵達のダンスホールになってたんだって。
  • その名もキャバレー・トーゴー
  • やーだそれ。
  • 下品なネーミングセンスや。
  • これを知ったアメリカ海軍の、
  • チェスター・ニミッツ元帥はカンカンに怒ったよ。
  • なんでアメリカ人の軍人が怒るん?
  • 若い時に東郷に会っていてさ、彼を尊敬してたそうな。
  • そして、チェスター・ニミッツは東郷の本を書いたりして、
  • それを読んだイギリス人やアメリカ人が、
  • 三笠の復元に協力してくれたんだよ。
  • わたしの話はこれで終わり。
  • じゃあ、仕事に戻ろっか。