夏目漱石と根津神社

文京区根津1丁目28、千代田線根津駅付近
  • 根津(ねづ)神社に来たよ。
  • ここらへんには・・
  • 吉原に次ぐ大きな遊郭があったんだって。
  • その名も根津遊郭
  • 東京は風俗街だらけや。
  • 今んとこ行ったの、吉原と根津、2つだけだろ?
  • でも根津遊郭は1888年に移転させられたよ。
  • なんで?
  • 原因は、1877年にできた東大。
  • 東京大学?
  • 学生の風紀を乱すし、勉強の邪魔になるじゃん?
  • 大学生にそんな遊び覚えさせたらあかんで。
  • サルみたいなお年頃やからな。
  • 東大を中心に、文京区は大学が多いから。
  • 文の都(ふみのみやこ)なんだよ。
  • それで文京区か。
  • まあでも息抜きは必要だよ。
  • でないと夏目漱石みたいになっちゃうかもよ?
  • 夏目漱石って有名やったな。
  • 千円札になってた事があるよ。
  • 名前はよく知ってる。
  • 小説家やった?
  • なに書いてた人?
  • 坊ちゃんとか、吾輩は猫であるとか。
  • 超有名やんか。
  • でも内容は忘れた。
  • 根津遊郭が移転した後、夏目漱石が東大に入学。
  • この時は帝国大学って名前だったんだけど。
  • 夏目漱石はこの近くに住んでいて、
  • この根津神社に、よく考えごとに来てたみたい。
  • 夏目漱石って有名だけどよく知らないんだよな。
  • 小説の事もよう覚えとらん。
  • みんなそんなもんだよ。
  • どんな人やった?
  • 東大の英文科で勉強してた。
  • すごい真面目で、
  • 中学校や高校の先生や、大学教授もやってたよ。
  • 頭はええ人やって、顔見ればわかる。
  • イギリスにも留学していて、成績は超優秀。
  • 悪いとこないわ。
  • でも真面目すぎ。
  • いっつもイライラの、癇癪(かんしゃく)持ち。
  • イラチやったん。
  • 胃腸も弱くて、オナラをよくしてたって。
  • やめてよ。
  • 天然痘、肺結核、トラホーム、神経衰弱、痔、糖尿病、胃潰瘍。
  • まるで、歩く病気図鑑だよ。
  • なあ、英文科って言うた?
  • 英語得意だったんだ?
  • 英語が専門だけど、英語を勉強するのが嫌だって。
  • 夏目漱石は、病んでるとか、苦痛そうな話が多いよ。
  • 趣味とかなかったん?
  • ほら、息抜きとか。
  • 温泉は好きだったみたい。
  • お酒は?
  • 呑めなかった。
  • その性格で、お酒呑めへんのはつらいな。
  • ベビースモーカーで、タバコは手放せなかったって。
  • タバコって胃に悪いじゃん?
  • 余計イライラするやろ?
  • 留学先のイギリスでも人種差別を経験して、
  • 身長が低くて酷いコンプレックス。
  • ついに発狂して、ノイローゼになって帰国。
  • 身長いくつやったん?
  • 159cm。
  • 薬袋のほうが大きい。
  • 恋人とか奥さんは?
  • 奥さんはいたけど、夫婦喧嘩が多かった。
  • 漱石も怒りっぽいからさ。
  • 奥さんもおしとやかな人じゃなかったん?
  • 最後は胃潰瘍で亡くなったよ。
  • 神経すり減らして生きとったんやな。
  • 夏目漱石は当時の日本人の象徴みたいなもんだね。
  • 世界の中の日本人とはなんたるや?
  • みたいな事が、よく見えてた人だったんだって。
  • お札になったのもわかる。
  • いつもイライラはしてるけど、
  • とても気遣いができる人だったって。
  • 気遣いできる人はストレス溜めとるよ。
  • ウチらマイペースだから大丈夫。
  • わたしの話は終わり。次の話題は?
  • 東京の西のほうに銃弾の穴だらけの建物ある。